01. オステオパシーにおける健康と病気の考え方。
- 健康とは:
- 生活環境や習慣などからのストレスや負担に対して、人間が持っている自然治癒力が発揮され十分対応出来る状態を示します。
- 病気とは:
- 人間の持っている自然治癒力が減退、または能力を十分に発揮できなくなるような原因となる歪みが身体のどこかに起こり、生活環境、習慣などからのストレスや負担等に対して十分対応出来なくなった状態を示します。
基本的にオステオパシー医学では人間が自ら持っている自然治癒力を高めるために様々なストレスや刺激、変化によって起こる、筋肉・筋膜・骨格・頭蓋・内臓・神経系・リンパ・血管等の障害、歪みを解放する治療を施すことを目的とします。
オステオパスは『腰痛』の治療をするのではありません。
『腰痛』の症状を持った人の体内で原因となっている障害、歪みを見つけそれを本来の状態に戻します。
『腰痛』だから原因が『腰』にあるとは限りません。内蔵であるかも知れないし、頭蓋・頚椎あるいは足関節かも知れません。つまり、どんな症状で来院した方も身体全体を診察します。
原因となっている障害、歪みが取り除かれれば人間本来が持つ自然治癒力が『腰痛』を治してくれるのです。
オステオパシー医学は、「哲学」「科学」「芸術」の3つの調和より成り立ち4つの基本原則に基づいて治療を施します。
“健全な精神は健全な肉体に宿る”と言われているように、肉体の内に精神があり、精神により肉体が鼓舞されます。肉体が病気になると精神も病み、精神が病めば肉体に影響します。そして、肉体を構成している諸器官も全てが関連し繋がっています。
つまり、一ケ所だけが病気になることはなく、生活していく上での物理的、精神的、社会的、環境的な様々なストレスによって体全体に影響を受け病気が引き起こされます。
例えば頭痛の時、頭が痛いだけでしょうか?頭の痛みののために気分は優れなくなるでしょうし、所作動作にも影響は及ばされます。食欲はどうでしょう?見え方も変わってくるはずです。このように、身体は『一つのユニット』として機能していることを大前提としてオステオパシーの治療は行われるのです!
『自然治癒力』とは、言い換えると『生命力』つまり『生きようとする力』ともいえます。
「健康」とは「病気」になって初めて気づくことかもしれません。しかし、全ての人間がその人生を過ごす中で、仕事、生活を含む多くのイベントがこの「健康」の上に成り立っています。
そして、その「健康」には『自然治癒力』が、大きく関わってくることになります。『自然治癒力』には世界のいかなる名医も勝つことは出来ません!
例えば体内に有害な細菌やウィルスが入ってきたら、白血球が自動的に戦い、皮膚を切傷したとしたら、血小板が働き傷口をふさぐ様に働きます。また、骨折をした時には骨折片を合わせてさえいれば、骨折端より接着剤(カルス)が、出てきて骨を強固に結合させます。また、下部脊柱において右に曲がると、上部脊柱においては、左に曲がりバランスを保とうとします。
この様に、体内には最高のドクターがいて、最高の薬が存在するのです。オステオパスはこの『自然治癒力』を上手く引き出し、最良に働く様にテクニックを施します。
人間の体内は脳、心臓、筋肉、骨・・・など多くの細胞組織によって構成されています。そして、その組織一つ一つが生命の 営みにおいて重要な働きをしています。
しかし、その一つ一つが物質である以上、物理的な圧力も受けますし、環境や生活習慣の影響を受けます。それにより個々に起こった歪み(ひずみ)は物理的に関連する諸器官の働きに影響を及ぼしていくのです。
つまり『完全なる健康』とは、統合された組織の前に形のある個々の組織が100パーセント機能していることを言うのです。